コラム
見学会やモデルハウスで成果を出すための準備

いい家創り応援ネットの半澤です。

みなさんもご存じの通り、最近の住宅市場は本当に競争が激しくなっています。特に昨年の秋からは、その競争はさらに厳しさを増しているんですよね。そんな中で成功するためには、どうしても効果的な集客方法を見つけることが大切です。

以前のコラムで触れたように、WEBでの集客に力を入れている会社は、お客様を獲得することに成功しています。しかしその他多くの会社は、集客や契約の獲得で苦労しているのが現状です。

同時に完成見学会やモデルハウスの集客も苦戦しているという情報が出回っています。しかし建物を見に来てもらうというのは、見込み顧客への価値提供や話題性の提供や来場のきっかけという意味でも、最良の方法の一つであることは間違いありません。

そこでこの記事では、完成見学会やモデルハウスオープンイベントを成功に導くための戦略を、順番に説明していきます。

1.  来場するきっかけや目的をつくる

来場するきっかけや目的を作ることは、住宅営業において極めて重要です。どんなに素晴らしい建物を建てても、来場者がいなければ意味はありません。来場してもらうための第一歩は、見込み顧客に来場するメリットを効果的に伝え、彼らに行動してもらうことです。

この過程では、まず「ターゲットにしている顧客が何を求めているか」を深く理解してメッセージを伝える必要があります。例えば、若い家族向けの住宅を提案する場合は、家事の効率、収納スペースの豊富さ、子育てしやすい空間活用、仕事スペースの充実などを強調するべきです。一方で、シニア向けの住宅の場合は、バリアフリーや介護のしやすさを前面に押し出すことが重要です。ターゲットに合わせた企画や魅せ方を考えることで、顧客の関心を惹きつけることができます。

さらに、イベントに独自のメリットを設定することも重要です。インテリアコーディネーターや家具店とのコラボレーション、ファイナンシャルプランナーや銀行員による資金相談会など、来場者にとって魅力的な企画を考えましょう。こうした仕掛けは、見学会への興味を引き、来場するきっかけを作ります。

そして、非常に重要なのが「どのように伝えるか」という点です。自社のウェブサイトやチラシに視覚的な魅力を持つ写真や、具体的なメリットを明確に伝えるキャッチコピーを用いることで、注目を集めて手を止めてもらえる可能性が高まります。

このアプローチには、広告代理店や集客コンサルタントの観点から考える方法と、現場での成果、つまり次回アポイントメントにつながる濃い見込み客を獲得する「営業」の観点から考える方法があります。これらは互いに排他的ではなく、それぞれの比重を考慮しながら組み合わせることが重要です。そして自社のコンセプトから逸脱しないよう注意しながら、様々な戦略を検討していきましょう。

2. 様々な集客導線を試す

前章で触れた通り、この章では具体的な集客戦略に焦点を当てて解説します。

現代のマーケティングでは、WEBを介した集客が中心です。特にSNSは、低コストで多くの人に見てもらえる可能性があり、さらにコメント交換を通じたエンゲージメント(好意)の強化において、非常に効果的なツールです。

特筆すべきは、住宅販売における視覚的アピールの重要性です。外観もLDKを中心とした内観もパッと見たときの第一印象が重要であるため、魅力的な画像の投稿は不可欠です。

この文脈で見落としがちだけど重要となるのが外構のデザインです。残念ながら、予算の関係で外構を後回しにする現場も見受けられますが、顧客満足度と集客の観点からも、外構に適切な予算と期間を割くことが肝心です。

またWEB集客に偏重せず、オフライン手法の効果も見逃せません。地元住民へのアプローチとして、チラシ配布やポスティングは依然として有効です。しかし、イベント直前の一度きりのチラシ配布では不十分であるという認識が必要です。次章で詳述しますが、建築中からの告知により近隣住民の認知を得ることが重要です。

また、リフォーム事業を手掛ける企業は、既存顧客(OB客)へのアプローチも効果的です。可能であれば、住宅購入を検討中の友人を紹介してもらうよう依頼してみましょう。

この際、具体的な顧客像を提示することがポイントです。例えば「来年小学生になる子どもを持つ家庭」や「生まれたばかりの赤ちゃんのいる家庭」などといった具体的な条件を伝えると、紹介が発生しやすくなります。

集客戦略の基本は、「まずは認知されること」です。限られたリソースの中で、さまざまな方法を用いて露出を増やし、認知度を高めていきましょう。

3. イベント開催前の告知と関係構築

先述の通り、現在の時代ではイベント直前にチラシを配布するだけでは集客を期待できません。では(特にWEB集客に自信がない場合)どのように対応すれば良いでしょうか。

この問題の一つの解決策は、「建築中の現場を積極的に活用する」ことです。実際、私たちがサポートした完成見学会の来場者の中には、「建築中の様子を見ていて気になっていた」と言う来場者が多数います。

この方法を取り入れるには、以下のような施策が考えられます:

  • 着工時に近隣住民への挨拶と同時に、あいさつポスティングを行う。
  • 上棟時には餅まきなどのイベントを開催し、近隣住民に一回来場してもらう。
  • 完成やイベントまでのカウントダウンを示す看板を設置し、期待感を高める。

これらの方法は大きな効果が期待できますが、多くの会社が取り組んでいないのが実情です。これは労力が必要であり、かつすぐに成果が出るわけではないためかもしれません。しかし、だからこそ他社との差別化を図り、チャンスと捉えることができるはずです。

4. 何度もイベントを開催する

この戦略は主にモデルハウスに焦点を当てます。単一のオープニングイベントに留まらず、複数回のイベントを実施することが重要です。具体的には、「プレオープンイベント」、「グランドオープンイベント」、「アンコールオープンイベント」、さらには「ファイナル・オープニングイベント」の検討が可能です。

複数のイベントを開催するメリットは多岐にわたります。例えば、より多くの認知を獲得し、自社サイトやSNSでの露出を増やすことができます。さらに、お客様が参加しやすいタイミングでイベントを提供することで、来場の可能性が高まります。また、接客営業の精度向上にも繋がり、次回のアポイントメント獲得率の増加や営業力アップも期待できます。

プレオープンイベントでは、特定の顧客層(例えば、近隣住民や既存顧客)にだけ声をかけるなどすることで特別感を与えることが可能です。また、この段階での接客営業やしつらえのテストを行うこともできます。異なるタイミングで異なる顧客層へのアプローチが可能になり、より効果的なマーケティング戦略を展開することができます。

5. 次回アポイントを取るための準備

接客営業において、成功への鍵は準備にあります。イベント開催の準備が不十分では、期待する成果を得ることは難しいのです。モデルハウスでの営業では、特にトークスクリプトを事前に準備し、現地でのロールプレイングを実施することが重要です。これにより、接客の質を高めることができます。

完成見学会やモデルハウスでは、建物の魅力や理想の暮らしについて多くの話が交わされます。しかし、契約をいただくために避けて通れないのが「お金」に関する話題です。

資金計画や住宅ローンについては、他の見学者がいる場所では話しにくいものです。プライバシーに配慮した落ち着いた環境でなければ、本音での話し合いは難しいでしょう。

このため、「お金と資金系計画」については、後日改めて時間を取って話すのが最適です。しかし、お客様にとって「売り込まれるのではないか?」という不安もあるため、営業の姿勢を明確にすることが大切です。

例えば、「他社からの購入や建築を選ぶ可能性もあるかもしれませんが、今日お会いできたことに感謝し、まずは○○様ご家族にとって後悔しない家づくりに役立つ情報を提供したい」という姿勢を示しましょう。さらに、チラシやツールを目につく場所に置くことで、会社の姿勢がお客様に伝わりやすくなります。


いかがでしたでしょうか?今回紹介した以外にも、建物内部のしつらえや受付スペースでやるべきことなど、完成見学会やモデルハウスオープンイベントを開催して、集客から次回アポイントを取るまでにやるべきことはたくさんあります。

もし本コラムに対する反響があれば、別のコラムやセミナーで扱いたいと思います。同時に、もし直近で建物イベントの開催予定があって絶対に成果を作りたいという方は、こちらのサービスもご検討ください。

特にモデルハウスは成功パターンの有無によって投資回収までの期間が大きく変わってしまいます。できるだけ早く、可能であれば一番集客出来てお客様の反応も期待できるオープニングイベントの早い段階で、次回アポ取得の流れを構築するようにしていきましょう。