コラム
営業ヒアリングの基礎【見学会・モデルハウス編】
いい家創り応援ネットの半澤です。
コロナによって検討段階のお客様が会社選びのために訪問する工務店や住宅会社の平均社数は2社程度に減ったと言われています。
つまり来場数は少ないものの、来場した段階でかなり有力な候補の一つに選ばれているわけです。ということは、これまで以上に初回接客の重要性が高まっているとも考えられます。
そこで今回は見学会やモデルハウスでの初回接客を前提に、もっとも相談が多くて改善に取り組むべき「ヒアリング」について、聞き出すべき項目や聞き出し方のコツをお伝えします。
物件案内でのヒアリング項目
そもそもなぜヒアリングするべきなのか?それはお客様の状況に合わせて最適な案内(情報や価値の提供)をすることで、信頼を獲得して着座や次回アポにつなげるためです。
ではどの様な情報をお客様から聞き出せばより良い案内ができるのか?なるべく早い段階で聞き出すべきヒアリング項目をお伝えします。
1.来場のきっかけ
「何をご覧になって知りましたか?」
「どんな点に興味を持っていますか?」
「誰が行こうと言い出しましたか?」
2.家族構成ほか
「入居されるのは何人ですか?」
「お子さんは何歳ですか?」
「将来的にはお子さまは何人くらいを考えていますか?」
「ご兄弟はどちらにお住まいでしょうか?」
「ご両親はよく遊びに来ますか?同居の予定はありますか?援助の話は出ていますか?」
3.家を建てる理由
「今の家賃はいくらですか?何年住んでいますか?」
「社宅ですか?家賃補助はありますか?」
「お子さんは保育園ですか?幼稚園ですか?」
「今の家の広さや間取りを教えてください」
「今の家に対する不満やストレスは何ですか?」
4.土地の有無
「建築予定地は決まっていますか?」
決まっている場合:「場所は?広さは?名義は?」
決まってない場合:「探しているエリアとその理由は?予算は?」
建て替えの場合:「築何年ですか?残債はありますか?」
上記全てを必ずヒアリングするわけではありませんが、ある程度は建物を案内する前半で把握しておくべきです。しかしこれらの質問を順番に聞いても素直に答えてくれるお客様はいません。
よくある勘違いとその弊害
見学会やモデルハウスで建物を見学しているとき、いきなり来場のきっかけや土地の有無などを矢継ぎ早に聞かれたら「なんで初対面のあなたにそんなことを言わないといけないの?」と感じるはずです。
ほかにも「回答次第で売り込まれるのではないか?」「他の人はどう答えているのだろう」「間違った答えをして変に思われたくない」といったことを考えている可能性もあります。
さらに次々に質問をされ続けると、”尋問”を受けている気になってきてしまうものです。その結果、お客様はあなたに対して心を閉ざし、着座も次回アポも断って去っていくことになります。
ではどうすればよいのでしょうか?
スムーズにヒアリングを成功させる方法
それこそが(直接お客様に聞くのではなく)クイズ形式にして一度本人以外の回答をさせてから、個人的な内容をヒアリングするという方法です。例えば・・・
【1.来場のきっかけ】の場合
「弊社の見学会(モデルハウス)には、何を見てご来場される方が一番多いと思いますか?」というクイズを出題します。
ここでのお客様の回答は何でも構いません。まずはどんな回答です「なるほど。確かにそうですね」と同意と共感を示します。ここでは決して否定してはいけません。
続いて「ちなみにお客様は(ヒアリング項目:どんな点に興味を持っていますか)?」と聞きます。するとお客様は頭の中で「私の場合は~~」という枕詞を思い浮かべるので、その後に続いて答えを言いやすくなります。
さらに「ちなみに先ほど接客したお客様は(ヒアリング項目:奥様が見に行きたいとおっしゃたらしい)のですが、あなたの場合はいかがですか?」といった形で質問することで、さらにヒアリングを進めていくことができます。
同じように・・・
【2.家族構成】の場合
「このお宅のお施主様(またはモデルハウス)は何人で住むと思いますか?」というクイズを出してヒアリングをスタートさせるのもおすすめです。
【3.家を建てる理由】の場合
「ご来場されるお客様の中で、家を建てる理由として一番多いのは何だと思いますか?」というクイズが有効です。
【4.土地の有無】の場合
「来場されるお客様のうち、土地が決まっている人とこれから探す人の割合はどのくらいだと思いますか?」というクイズから切り込むわけです。
上記はあくまで一例ですが、いきなり相手のことを直接聞くよりもクイズを挟むことでお客様の警戒心をほぐし、信頼を構築しながらスムーズにヒアリングすることができるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「なかなかヒアリングが上手く行かない…」という悩みの解決に役立てば嬉しく思います。
また口頭だけでクイズとヒアリングができるようになるにはそれなりに練習が必要です。限られたお客様で練習するわけにはいかない今、対策の一つがクイズのツールを用意することです。
もし会社でツール化することが難しい、私のヒアリングノウハウや仕組みを手に入れたいという方は、お気軽にお声がけください。
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