コラム
完成見学会・モデルハウス営業の準備と接客のポイント
いい家創り応援ネットの半澤です。
2023年末までモデルハウスの現場で営業していた私の肌感としても、昨年の相談内容からも言えることですが、急速にモデルハウスへの来場が冷え込んできています。しかしお客様からの信頼を得てより確率高く次回アポイントをいただくための非常に強力な武器がモデルハウスであることは変わりません。
とはいえ漠然と来場してくれたお客様を接客しても、着座していただくことも次回アポイントもいただくことはできません。
私がモデルハウスを所有している住宅会社様や工務店様をご支援する際は、セールスステップと営業ストーリーを見直したうえで、モデルハウス案内のトークスクリプトを制作します。
しかしどれだけトークスクリプトが良くても事前の準備や接客が間違っていては成果を出すことはできません。そこで今回はモデルハウス営業をする前段階のポイントについてお伝えしていきたいと思います。
お出迎え・受付
お出迎え時は笑顔であいさつをすることで歓迎の意を伝えましょう。
「何を当たり前のことを……」と思うかもしれません。しかしこれが意外に出来ていません。正しくは配慮が足りていません。
例えばですが、駐車場や玄関前にウェルカムボードは設置していますか?他にも私は「いらっしゃいませ」とは絶対に言いません。なぜなら「いらっしゃいませ」という言葉は商品を購入するお店で言われる言葉なので ”売り感” が出てしまうからです。
また業務的なイメージを与えるので「アンケート」という単語も使いません。言葉一つで意識的・無意識的にお客様へ様々な影響を与えてしまうので注意が必要です。
このように歓迎の気持ちを伝えるという一点だけでも、使う言葉一つ一つに意識を向けることが重要です。
特に初対面の印象は最後までついてまわります。つまり最初に好印象を与えることができれば着座誘導がしやすくなり、逆に印象が悪ければ案内していても盛り上がらず、質問にも答えてもらいにくくなり非常に苦しい案内となってしまうので、お出迎えや受付は注意が必要です。
見学していただく際の注意点
室内に入る前に注意点をしっかり伝えていない会社もあるようですが、良いこと・悪いこと・大切にしていることを伝えることは適切な関係性を構築するためにも有効なのでしっかり伝えるようにしてください。
その際に口頭だけで伝えても3つ以上は覚えてられないし、お客様は「分かりにくい」「理解しにくい」「アレコレ制限されるめんどくさい」といった印象を受けるかもしれないので注意が必要です。
対策の一つは注意点をまとめたPOPを用意することも有効です。
担当者のあいさつ
受付が終わったら案内担当の営業スタッフが名刺を渡してあいさつをします。その時にやるべきことがあります。それが受付アンケートをみて自分との共通点を見つけて会話を切り出すことです。
つまり「自己開示」をするわけです。営業の文脈における自己開示は、営業スタッフ個人の経験や状況、感情や意見などをお客様と共有することを通じて、共通点を見つけてお客様から親近感を感じてもらい、お客様から信頼や情報をいただきやすくなることを意味します。
よくある売れない営業スタッフは、自分の身元や情報を開示することなくお客様から一方的に自分が欲しい情報を聞き出そうとします。しかしお客様は「何者かもわからない他人に何で私の情報を教えなきゃいけないの?」「営業に教えたら売り込まれる」などと感じるかもしれないわけです。
だからこそなるべく早い段階でお客様のアンケートを基に共通点を見つけ、相手の反応を見ながら自己開示をして距離感を縮めて話しやすい関係をつくるようにしましょう。
具体的なトークの事例をお伝えすると……
「〇〇のご出⾝なんですね。私も〇〇出身なんですよ。ちなみにどの辺りですか︖」
「お様はおいくつですか︖」「うちも〇〇なんですよ〜」
「〇〇が趣味なんですね。私も休みの日には〇〇してるんですよ。」
ほかにも可能なら服装や持ち物からも相手との共通点を見出していけるようになるとより良いです。
ツール(POP)
POPについてですが、設置する目的は明確になっていますか?もし目的が「会社や建物のことを知ってもらうため」で説明する内容ばかりだとしたら、伝えたいことが伝わっていない可能性が高いです。
私がおすすめしているのが「クイズを出して答えてもらうことを通じて、お客様の情報をお聞きしながらこちらが言いたいこと伝えていく」という方法です。
詳しい内容はこちらの記事をご確認ください。
ここでは一つ、具体的な事例を紹介したいと思います。
多くの会社がお金の大切さをアピールするPOPを用意して「だから一度お金についてしっかり説明するお時間をいただけますか?」という打診をします。
しかしPOPを読んだだけでお金の重要性を理解できる人は多くはいません。また論理的な説明文はお客様を冷静で慎重にさせてしまいがちです。しかしお客様に行動してもらうには「損したくない」「失敗したくない」「お得な買い物をしたい」のような感情を持ってもらう必要があります。
そこで私が良く使うPOPを一つご紹介します。
このクイズパネルを使って自分で考えて答えを教えてもらうことで話を自分ごと化するとお同時に、「お金の勉強をしないと大きな損をする」ということを実感した瞬間に感情を動かし、資金セミナーや個別相談のアポイントを打診する流れをつくるわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回紹介した内容に近いことはきっとあなたの会社でも実施していると思います。
しかし言葉の使い方一つであったり、全体のストーリーであったり、POPの意図や使い方までしっかり考え抜いて準備しているでしょうか?
もし貴社で「モデルハウスにおける営業を見直したい。」「これから新たにモデルハウスをオープンする。またはリニューアルする。」というタイミングで、具体的にモデルハウス営業の流れや仕組みの構築を手伝って欲しい方がいましたら、ぜひこちらもご検討ください。
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来場者が少なくなり1組の重要性が高まっているからこそ、今回の記事をきっかけにしてモデルハウス営業について見直していただければ幸いです。