コラム
2021年に求められる
「営業スタイル」とは?

いい家づくり応援ネットの半澤です。

今回は「いま求められている営業スタイル」について、過去の営業スタイルを振り返りながら見ていきたいと思います。まず最初は近年の営業スタイルに変化を生んだ時代背景について整理していきます。

スマホとSNSの影響

2013年にスマートフォン(以下「スマホ」)の普及率が50%を超えたと同時に、LINEを中心にSNSの利用率も急増しました。その結果、顧客の消費行動も大きく変わりました。主な要因としては以下の3点が考えられます。

1:いつでも、どこでも、気になったときに情報収集するようになった

これは言うまでもありません。信号の待ち時間程度のすきま時間でも、スマホ片手に調べ物をするようになりました。ちなみに2020年の『スマートフォン利用者実態調査』によると、スマホの利用時間でもっとも多かったのは「2時間~3時間」、次いで「3時間~4時間」とのことです。もはやすきま時間どころか、スマホを使うための時間を確保する事態になっています。

その結果、住宅購入検討者の知識は格段に増えています。お客様のこだわりポイントなどでは、営業や設計の専門スタッフよりも商品知識が豊富で詳しい、なんて状況もよく見かけます。

2:「女性」がインターネットから情報収集するようになった

意外に見落としがちですが、非常に大きな影響があると思っているのが「女性がインプットしている情報が増えたことです。ここでいう情報とは主に「デザイン面」と ”家事・収納・子育て” といった「ソフト面」のことを指します。

その結果、勉強不足だったり情報感度の低い営業スタッフは、数分会話しただけで女性から「この人は全然わかっていない」という烙印を押されてしまうようになりました。逆にうまくいく営業スタッフは、「この人分かっている」と信頼を獲得できるようになっています。

3:口コミが影響力を持つようになった

最後はもうおなじみの「口コミ」です。ネット上でもリアルでも、会社や営業スタッフの言葉をそのまま素直に受け入れるお客様はほぼいません(フリをする人はたくさんいますが……)。

つまりお客様に話を聞いてもらうためには、まずは信じてもらうための信頼構築ステップの重要性が高まったわけです。

まとめると・・・

スマホとSNSが普及する前の営業スタッフはある程度、業界や商品の知識があれば無知な顧客に対して簡単にプロとしてのポジションを獲得することができていました。しかし2010年代の後半には、情報(知識)差だけで信頼を構築することはできなくなりました。

顧客が商品知識を増やしただけではなく、自分たちが求めるデザイン、間取り、ライフスタイルを事前にイメージするようになり、ただ商品をお勧めするだけの営業の価値は低下していきました。

その結果、営業スタイルにもある変化が生じました。

過去の営業スタイルとは?

ここまで説明してきたように一昔前までは、顧客との商品知識差を活かして応酬話法やクロージングテクニックなどの口頭スキルが高い外交的な営業スタッフが売れやすい傾向がありました。しかしスマホとSNSの普及により、上記のような営業スタイルは「押し売りされている」という印象を与えることになり、敬遠されるようになりました。

代わりに見学会やモデルハウス案内を中心に台頭してきたのが「案内しないで自由に見てもらう、質問がある時だけ顧客の方から声をかけてもらう」という営業スタイルです。スマホでの検索と同じで、知りたいこと(調べたいこと)があれば検索=質問してもらうというスタイルなので、来場者にとってはストレスがなく押し売りされているという感覚もありません。

とはいえ誰もが気軽に質問できるわけではありません。さらに建物や会社の魅力を伝えることもできず、ただ建物を見学して去っていく顧客の割合も増えていきました。対策として「私たちは営業しません!自由にご覧下さい」と言いながら、ポイントポイントで声をかけて様子を見ながら営業をかけていくスタイルを採用している工務店も多いのではないでしょうか。

2021年に歓迎される営業スタイルとは?

先日モデルハウス案内をさせていただいたお客様から「ていねいなモデルハウスの説明をしていただきまして、ありがとうございました^^」というメッセージをいただきました。このお客様とはその後のお打ち合わせも非常にスムーズで、問題なく契約を締結することができました。

結論からいいますと、イマドキのお客様に歓迎される営業スタイルの答えは、「ていねいな接客」です。ただここで考えないといけないことは、何をどのようにしたら、お客様から「ていねい」と感じて頂けるのか、という点です。

このお客様の案内時、私は積極的に声をかけています。一見するとスマホやSNSが普及する以前の古い営業スタイルに見えるかもしれません。しかしその中身は全く異なります。だからこそお客様から感謝され、短時間でも信頼関係を構築することができるのです。

では何が違うのでしょうか?いくつかあるのですが、特に分かりやすくて効果が大きい2つのポイントをご紹介します。

1:モノの説明でなく、コトをイメージさせる会話をした

昔の売り込み営業は「モノ」の話がメインでした。具体的には商品や素材のスペック(数字や性能など)のことです。しかしこれらはスマホで調べればいくらでも出てくる情報です。しかも初めて家を建てる顧客にとっては、説明されたスペックが「どのような効果を生むのか?」具体的にイメージすることができないので、せっかく説明しても何も響かないのです。

一方で私は「コト」の話を中心に案内をしています。とくに前半は「コト」について話す割合を非常に高くしています。ここでいう「コト」とは、どのような暮らしができるのか?という体験のことです。

雨の日にベビーカーを使っていても濡れにくい玄関ポーチだったり、キャンプ道具を楽にしまえる土間収納だったり、子供の勉強を見てあげながら家事ができるダイニングキッチンだったり、週末に家族団らんの時間を過ごせるリビングなど、各スペースでどのような体験=暮らしができるのかをイメージしてもらえるような話をしています。その過程でお客様が本当に欲しいと思っているコトや要望を同時にヒアリングしていくわけです。

2:理念や取り組み、意図や採用基準の話をした

同時に「なぜ、この間取りにしたのか?」「なぜ、この設備やオプションが選ばれたのか?」「なぜ、この素材を採用したのか?」などの意図や選択基準を会社の理念と紐づけて話をしています。

この背景は注文住宅市場が超成熟市場となっていることが挙げられます。超成熟市場とは、あらゆる種類の商品が提供されており、そのどれもが高品質で差別化が難しいような市場を意味します。

ではどこで競合との差別化を打ち出すのか?その答えの一つが会社の理念や取り組みにもとづいた意図や基準です。モノ(スペック)が同じであれば「自分と同じ考えや価値観」だったり「憧れている、支持している考え方や価値観」の人や会社から購入したくなるものです。この数年マーケティングやセールスの世界で「共感」がキーワードになっているのもこのためです。

※このあたりの話は長くなるので、反響があるようならまた別の機会にしっかりと解説したいと思っています。

ていねいな営業とは?

ここまで最近の私が注意していることをお伝えしてきました。といっても何も目新しいことはありません。以前から私が声を大にして全国の営業スタッフにお伝えしていることです。とはいえ以前は昔ながらのやり方でも、まだまだ情報弱者だったり、住宅購入を急いでいたり、会社への絶対的な信頼などの要因で契約することはできていました。

しかし今の30代の若い世代にとって、住宅購入に対する意識は大きく変化しています。彼ら彼女たちは生まれたときからずっと不景気の日本で生まれ育っています。終身雇用も崩壊し、税負担は増し続け、実質賃金は下がり続けています。しかもITバブル崩壊やリーマンショックなどの定期的な経済危機、全国各地で突発的に起こる自然災害、そして今回のコロナ騒動など、未来に対する不確実要素は増え続けています。

そんな状況のなかで住宅購入のハードルは年々高まり続けています。だからこそまずは顧客の購買意欲を高めて「やっぱり家が欲しい」と思ってもらうことが必要になっています。その上で「お願いするなら○○工務店にお願いしたい」「○○さんから購入した」とお客様から選んでもらうためには、自社が提供している価値を分かりやすく伝えていく必要があります。

これこそが今回、私があなたに伝えたっかことです。

具体的には「モノよりコト」「理念や取り組み、意図や判断基準をしっかりと伝えていく」ということです。市場が成熟しきっている日本では、この流れは今後もさらに加速していくはずです。だからこそ私たち営業は、インターネットからは得られない情報や価値を生み出し、さらに競合他者の営業よりも共感と信頼を勝ち得る必要があります。

言葉にすると当たり前のように感じますが、できている人は多くはありません。だからこそ日々目の前のお客様に集中して、求められているコトはもちろん、その期待を超える営業が出来るように一緒に成長していきましょう。

追伸
今回ご紹介した「ていねいな営業」の具体例や成功事例を公開する勉強会を開催します。興味のある方はコチラをご確認ください。