
コラム
新人営業向け!契約までの7STEP
住宅営業デビューした直後は、目の前のことに対応するので精一杯かもしれません。確かに注文住宅の営業はお客様にとって人生で一番大きな買い物をサポートする仕事であり、知識も経験も必要に思えますよね。
でも業界未経験の新人でも最短で「この人にお願いしたい!」と言われる営業になることは十分可能です。そのために必要なのは、正しいステップを踏んで信頼を積み重ねることです。
無理に売り込まなくても、お客様が自然と「話を聞いてみたい」「相談したい」と思ってくれる流れがあります。今回のコラムでは、見学会から契約までを7つのステップに分解して、それぞれのポイントを解説します。

これがすべてではないのですが、効率的に契約という成果を手に入れるために最低限押さえておくべきポイントをお伝えするので、ぜひ一緒に学んでいきましょう!
1. 見学会・勉強会:「売込み」ではなく「ガイド役」
お客様が住宅会社を訪れるとき、多くの場合「ちょっと見てみたい」「情報収集したい」という気持ちで来ています。まだ「契約したい!」という段階ではありません。
このとき、間違っても売り込みすぎてはいけません。大切なのは、家づくりの案内人としてお客様にリラックスしてもらい、「また話を聞きたい」と思ってもらうことです。
お客様は警戒していることを理解しよう
見学会や勉強会に来るお客様の多くは、「営業されるのでは?」と身構えています。初対面の営業マンからいきなり家の説明をされても、心を開いてくれるわけではありません。
まずは身だしなみを整え、明るく笑顔で挨拶して、良い第一印象を持ってもらうようにしましょう。
説明するのではなく、興味を引き出そう
「こちらがリビングで…」「この家の特徴は…」と一方的に説明するのではなく、お客様の関心に合わせて話を進めることが重要です。
そのためには、「どんな暮らしが理想ですか?」などと質問しながら、お客様のお考えをお聞きしたり、自分ごととして考えて話してくれるように声がけしていきましょう。
「相談できる人」と思ってもらうことが第一歩
家づくりは一生に一度の大きな決断です。お客様にはもの売りの営業ではなく、安心して相談できる相手が必要になります。
営業パーソンとしてはまず「この人なら話をしても大丈夫かも」と思ってもらうだけの信頼を得ることが求められます。とにかく焦らず丁寧に接することが大切です。
2. 初回面談:お客様の理想と不安を引き出すヒアリング術
初回面談では、お客様の希望や不安をしっかり聞き取ることが最も大切です。ただし、単なる雑談で終わってしまうと、お客様の本音を引き出せません。そこでここでは、上手なヒアリングのコツを紹介します。
ただ話を聞くだけでは足りない!質問の仕方がカギ
お客様が自分の希望を話しやすいように、「どんな家がいいですか?」と漠然と聞くのではなく、「今のお住まいで不便に感じることはありますか?」や「休日はどのように過ごされていますか?」など、具体的な質問をすると会話がスムーズになります。
理想の暮らしと現状の不満を両方聞く
お客様は「こんな家に住みたい!」という夢を持っていますが、同時に「今の家では〇〇が困っている」という不満も抱えていることが多いです。
この理想の未来と現状の不満や不安の2つを引き出すことで、お客様自身も「やっぱり家を建てたい」という気持ちが強くなり、前向きに話を進めることができるようになります。
プロとしての知識を提供し、信頼を得る
お客様は家づくりについて知らないことがたくさんあります。だからこそ、「この営業マンは頼れそう」と思ってもらうことが重要です。たとえば、「最近はこんな間取りが人気なんですよ」「こういう工法なら夏も冬も快適ですよ」といった具体的なアドバイスをすることも効果的です。
しかし今はインターネットで事前に学んでいるお客様も多くいます。そこでオンライン上では知ることができない地元や現場や業界ならではのネタを用意しておくとよいでしょう。
3. 資金計画:お金の不安をなくし、安心してもらう
家を建てるうえで最も不安になるのが「お金」の問題です。「住宅ローンを払っていけるか心配…」「総額でどのくらいかかるの?」と、お客様にはさまざまな疑問があります。
この不安をしっかり解消してあげることが、契約へと進むための大事なポイントになります。

住宅ローンや総額のイメージを明確にする
お客様は「いくらの家なら買えるのか」をはっきり理解していないことが多いです。まずは、土地代・建物代・諸費用を含めた総額を試算し、「このぐらいの価格帯なら安心して支払えますよ」と、具体的に説明しましょう。
お得な制度や控除を分かりやすく伝える
住宅ローン減税や補助金など、お客様が知らないお得な制度もたくさんあります。こうした情報をわかりやすく伝えることで、「この営業マンに聞いてよかった!」と思ってもらえます。
無理のない支払いプランを一緒に考える
「購入できる金額ギリギリの計画」ではなく「月々いくらなら無理なく払えるか?」をお客様と一緒に考えましょう。収入や生活費を考慮しながら、無理のない支払い計画を立てることで、お客様は安心して家づくりを進められるようになります。
このように、見学会から資金計画までのステップをしっかり押さえることで、お客様に「この人なら安心」と思ってもらえます。次のステップでは、いよいよ設計契約やプラン提案について解説していきます!
4. 設計契約:「この人に任せたい!」と思われるために
資金計画がまとまったら、いよいよ設計契約のステップに進みます。ここで大事なのは、お客様に「この会社で、この営業マンと一緒に家づくりを進めたい」と思ってもらうことです。
契約前はお客様も不安が多いため、信頼をさらに深めることが重要になります。
「設計契約=本格的な家づくりのスタート」と伝える
お客様の中には、「まだ契約はちょっと…」と迷う方もいます。しかし、設計契約は本契約ではなく、具体的なプランを考えるための重要なステップであり、設計の労力も必要となります。
設計士の経験やノウハウ提供、労力や人件費がかかることを誠実に伝えつつ、お客様の理解を得ることが大切です。
「この会社・この営業マンなら大丈夫」と思ってもらう
契約を決める大きな要因は、会社の信頼性と営業マンの対応です。「この人なら安心」と思ってもらうために、これまでのやり取りを振り返りながら、お客様の不安を一つずつ解消しましょう。
お金以外の家づくりに関する疑問点を相手の不安な気持ちに寄り添いながら解決していくことで、安心感と信頼感を高めていきましょう。
土地が決まっていない場合は一緒に探す
注文住宅を考えているお客様の中には、まだ土地が決まっていない方もいます。そんなときは、「土地探しのサポートもできますよ」と伝え、一緒に建築予定地を探す流れを作りましょう。
土地選びからサポートすることで、より強い信頼関係が築けます。
5. プラン提案:ワクワクプレゼンでお客様の心をつかむ
設計契約が済んだら、いよいよプラン提案です。このステップでは、お客様の理想を形にしながら、プロとしての提案を加えることが重要になります。

「図面の説明」ではなく「未来の暮らし」を伝える
プラン提案で失敗しがちなのが、間取りや設備の説明ばかりになってしまうことです。大事なのは、「この家でどんな暮らしができるのか」をお客様にイメージしてもらうこと。
「このリビングなら、家族みんなでゆったり過ごせますね」といった具体的なシーンを想像させると、お客様のワクワク感が高まります。
予算を考慮しながら、希望を最大限叶える
お客様の理想をすべて叶えることができればベストですが、予算の関係で難しいこともあります。そんなときは、「この部分をこう変えると、コストを抑えつつ快適になりますよ」と、仕様や間取りなどの代替案を用意することが大切です。
無理なく理想に近づける方法を提案しましょう。
プレゼンは「視覚」と「言葉」の両方で伝える
プラン提案の際には、図面だけでなく、完成イメージのパースや模型を使うと、お客様がより具体的にイメージしやすくなります。また、専門用語を使いすぎず、わかりやすい言葉で説明することも重要です。
「南向きだから日当たりが良いですよ」と当たり前のことを伝えるだけでなく、日照シミュレーションなどの活用も検討しましょう。
6. 見積り提示:価格の根拠を示し、不安を解消する
プランが決まったら、次は見積もりの提示です。ここでは、お客様が「思ったより高い…」と感じることが多いため、納得してもらえる説明をすることが大切です。
価格の背景を明確に伝える
「この家の金額は〇〇万円です」と伝えるだけでは、お客様は納得できません。「使用する素材や設備によって、このような金額になります」と、根拠をしっかり説明しましょう。
特に、品質の高さや耐久性などは他の仕様や素材などと比較しながら伝えるようにします。
金額調整の方法を提示する
「もう少し安くしたい」というお客様には、どこでコストダウンできるかを提案しましょう。
ただし、品質を落としすぎると満足度が下がるため、「ここはコストを抑えられますが、快適さを保つためにはこの部分は残した方がいいですよ」とバランスを考えた提案をすることが大切です。
長期的なコストも伝える
初期費用だけでなく、入居後のランニングコストについても説明しましょう。たとえば、「この断熱材を使うと光熱費が(シミュレーション結果を見せながら○○円くらい)抑えられますよ」と伝えることができれば、お客様の納得感が高まります。
7. 契約:最後の決め手は「お客様の安心感」
いよいよ契約のステップです。ここでのポイントは、お客様が「本当にこの会社で大丈夫かな?」と感じる不安をすべて解消することです。

不安をすべてクリアにする
契約直前のお客様は、「他の会社も見た方がいいかな…」「本当にこのプランでいいのかな…」と迷っていることが多いです。そんなときは、これまでの打ち合わせを振り返り、「ここまでしっかり話し合ってきましたから、安心して進められますよ」と背中を押してあげましょう。
自信をもってクロージングする
契約をためらうお客様には、「これだけの準備をしてきたので、あとは決断するだけです」と自信をもって伝えましょう。ただし、強引な営業はNGです。
お客様が納得したうえで契約できるよう、じっくり寄り添う姿勢を大切にしてください。
契約はゴールではなくスタート
契約はお客様にとっても営業マンにとっても「家づくりの本当のスタート」です。契約後も安心してもらえるよう、「これからも一緒に素敵な家を作っていきましょう!」と伝えて安心してもらいましょう。
そうすることでキャンセル防止だけでなく、仕様打ち合わせや現場がスタートしてからも良い関係を維持できます。
まとめ
住宅営業の成功は、売り込むことではなく、お客様と信頼関係を築くことから始まります。
見学会で警戒心を解き、初回面談で理想や不安を引き出し、資金計画で安心感を与える。そこから設計契約、プラン提案、見積もり提示を経て、最後の契約へと進む流れをしっかり押さえておけば、新人でも「この人にお願いしたい!」と言われる営業パーソンになることができます。
ぜひこの7つのステップを実践して、お客様の理想の家づくりをサポートしてください!