
コラム
顧客心理を動かす!4つの見込顧客タイプ×2種類の教育でランクアップさせる方法
住宅営業では、見込み顧客の心理を正しく理解し、それに合わせたアプローチをすることが成約率を上げる鍵となります。しかし、顧客全員が同じ状況にいるわけではありません。
「家を建てることを全く考えていない人」もいれば、「契約寸前の人」もいます。そんな多様な顧客心理に対応するには、顧客を4つのタイプに分け、それぞれに合ったアプローチをすることが効果的です。
さらに、「ニーズ教育」と「ウォンツ教育」という2種類の教育を使い分けることで、お客様を適切にランクアップさせることができます。

今回4つの顧客タイプと2種類の教育の考え方を学び、より解像度高く最適な営業アプローチができるようになってください。
4つの見込み顧客タイプを理解しよう
住宅を購入するまでの心理段階は、「まだ先客」「そのうち客」「これから客」「いますぐ客」の4つに分類されます。それぞれのタイプは顧客が家を必要と感じる度合いや、どれだけ「欲しい」と思っているかで異なります。
「まだ先客」は、まだ住宅購入に関心が薄い段階の人たちです。このタイプの顧客は、家を建てる必要性も欲しい気持ちも感じていない状態で「いつかは建てたいけれど、今は考えていない」といったスタンスを取っています。
一方で「そのうち客」は、家を建てたい気持ちはあるものの、タイミングや予算などの不安や迷いが大きく、まだ具体的な行動には至っていません。
また「これから客」は、住宅の必要性を認識し始めており、SNSやインターネットで情報収集をしている段階です。そして一部の人は資料請求したり、モデルハウスを訪問し始める段階の顧客です。しかし、まだ決断には至っておらず、理想を描きつつも、行動を起こす背中を押してもらう必要があります。
そして「いますぐ客」は、すぐにでも家を建てたいと考えている顧客です。このタイプの顧客は住宅会社や工務店に真剣に相談しており、場合のよっては予算やプランの最終確認に至っているため、迅速な対応が求められます。
2種類の教育を理解しよう

顧客心理を動かすためには、「ニーズ教育」と「ウォンツ教育」という2種類の教育を意識して使い分けることが有効です。
「ニーズ教育」は、顧客に「家を建てる必要性」を認識してもらうためのアプローチです。
例えば、「家賃を払い続けるのではなく、資産になるマイホームを持つことで将来の安心を得られます」という説明をすることで、家を建てるメリットを伝えることができます。この教育は、特に「まださき客」や「そのうち客」の段階にいる顧客に対して効果的です。
一方で、「ウォンツ教育」は、「この家が欲しい」という感情を引き出すアプローチです。
例えば、モデルハウス見学で「この広々としたリビングで家族がくつろぐ姿を想像してみてください」と話しかけることで、顧客の中に理想の生活を描かせることができます。「ウォンツ教育」のアプローチは、「まださき客」や「これから客」の段階にある顧客に向いています。
顧客タイプ別アプローチ術
顧客タイプごとに心理状態が異なるため、それに応じたアプローチを行うことが大切です。
まだ先客へのアプローチ
まだ先客は、家を建てる必要性も欲しい気持ちも感じていないため、こちらから積極的にアプローチすると逆効果になります。
この段階では、家づくりに興味を持ってもらうことが最優先です。たとえば、自社のSNSやブログで、「家づくりを始める前に知っておきたい5つのポイント」などの有益な情報を発信し、自然に関心を引くようにしましょう。
同時に素敵な成功事例やお客様の声を豊富に掲載したり、動画の活用も有効です。さらに、無料の家づくりガイドやイベント情報を提供することで、「この会社なら信頼できる」と思ってもらえるような土台を作ります。
そのうち客へのアプローチ

そのうち客は、家を建てたい気持ちはあるものの、不安や迷いを抱えています。この段階では、顧客の課題を想像したり深掘りすることで、具体的な解決策を提案することが重要です。
まだ対面出来ていないのであれば「インフレ局面での家づくりの注意点」「自立した頭の良い子供に育つ間取り」と言った情報を届けることも有効かもしれません。
もし接客営業出来ているのであれば、ヒアリングを通じて土地探しやお金に対する不安や親との関係など、迷っている顕在的・潜在的なニーズを明確化して、その不安を解決するように接してください。
これから客へのアプローチ
これから客は、家の必要性を認識していますが、まだ行動を起こしていない段階です。この顧客には、理想の生活を具体的に描かせることが効果的です。
例えば、モデルハウス見学に招待し「この家で家族が集まる時間を想像してみてください」と話しかけたり、OB宅訪問で新築に住む幸せを見たり聞いたりしてもらうことを通じて、感情的な共感を引き出すことも有効です。
いますぐ客へのアプローチ

いますぐ客は、決断寸前の顧客です。競合他社で商談が進んでいることもあります。
この段階では、分かりやすく迅速かつ正確な対応が求められます。御用聞きになってしまってはいけませんが、会社説明やプラン提案、仕様説明や見積提出などスムーズに資料を提示しながらお客様の要望に応えつつ、不安や疑問を丁寧に解消して自社の優位性を訴求していきましょう。
クロージングの段階であれば期間限定のキャンペーンや特典を活用して、決断を後押しすることも効果的です。
ご夫婦で段階が異なる場合の対応
住ご夫婦で心理段階が異なるケースも多く見られます。
例えば、夫がまだ先客で妻がこれから客の場合、夫には家づくりの必要性を感じてもらうためのニーズ教育を行い、妻にはウォンツ教育を通じて理想の家づくりを提案します。
また妻がいますぐ客で夫がそのうち客の場合、妻の期待を尊重しつつ、夫には不安に感じていることやまだ気づいていない今すぐ買うべき理由を具体的なデータやシミュレーション通じて解消することで、安心感を与えることも有効です。
そして両者が納得できる提案をするためには、「お二人にとって一番大切な暮らしのポイントは何ですか?」のような二人の意見をすり合わせるような質問をして、対立ではなく同じ方向を向いて一緒に進んでいくパートナーであることを思い出してもらうようにしましょう。
まとめ:顧客心理を理解して信頼を築こう
住宅営業では「4つの見込み顧客タイプ」と「2種類の教育」を活用することで、顧客心理に寄り添った適切なアプローチが可能になります。特にご夫婦のように異なる心理段階にいるケースでは、それぞれのニーズと欲求を理解し、最適な提案をすることが重要です。
ぜひこのフレームワークを意識して活用することで、顧客の信頼を得ながらランクアップさせることで成果をあげてもらえたら嬉しいです。