コラム
住宅営業と集客を成功させた「コンセプト」×「コラボ戦略」

いい家づくり応援ネットの半澤です。

今年2022年の8月と9月は福岡の工務店様で営業代行をおこなっていたのですが、春から仕込んでいた戦略が当たり、想像以上の成果を出しています。

例えば、周辺の土地よりも1~2割高いにもかかわらず、5区画の分譲地が販売開始後1か月で契約:3区画、商談中:1区画、残り:1区画、という想像以上のスピードで順調に販売できています。

他にもイベントを開催したところ、広告宣伝費はほぼゼロで37組/日の来場を実現することができました。

この成果が出た最大の要因は「明確なコンセプト設計」×「コラボレーション戦略」を採用したことです。

コンセプト戦略とは?

そのまえにまずは「コンセプト」という言葉の意味を調べてみましょう。

1.概念。観念。

2.創造された作品や商品の全体につらぬかれた、骨格となる発想や観点。「コンセプトのある広告」

出典:コトバンク

言い換えれば「どんな建物なのか?」「どんな分譲地なのか?」「どんな会社なのか?」を表す一言で伝えるメッセージとも言えます。

例えば、一条工務店の「家は、性能」、へーベルハウスの「LONG LIFE」、飯田グループの「誰もがあたり前に家を買える社会にしたい」あたりを思い浮かべてもらうと分かりやすいかと思います。

そして今回私が企画段階から関わり、営業代行としてセールス支援をしている分譲地販売プロジェクトがこちらです。

本プロジェクトのコンセプトは「心身ともに健康を考えた暮らしづくり」です。

コンセプト決定までの流れ

もともと支援先の工務店が「医師が薦める本物の健康住宅」というメッセージで、健康に害を及ぼす素材を使わない健康住宅を提供していました。

ただし、これだけでは分譲地のコンセプトとしては弱いと感じていました。そこで改めて社長にヒアリングをさせていただき、会社の歴史、なぜ今の家づくりをしているのか、これまでの取り組みや実績を聞き直しました。
そこで判明したことなのですが、隣県にある「心身両面から健康と美の増進、未病改善を目指す東洋医学的体感施設」の建物リフォーム工事をおこなっていたことと、施設の代表者とつながりがあることが分かりました。

「医師が薦める本物の健康住宅」という工務店側のコンセプトと、「心身両面から健康と美の増進、未病改善を目指す」という施設側のコンセプトの親和性の高さに目をつけて、コラボレーションの提案をしました。

施設側の代表の方へのプレゼンテーション資料や契約書面などもすべて私の方で準備して提案に臨み、無事に協力を取り付けることができました。

↑プロジェクトのロゴです

※どのようなプレゼンテーション資料をつくったのか?また契約書面の内容に興味がある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

コンセプトの落とし込み

先に結論をお伝えすると、工務店のコンセプトと体験施設のコンセプトをかけ合わせた結果生まれたのが「心身ともに健康を考えた暮らしづくり」です。

※もちろんすぐに出てきたわけではなく、時間をかけて話し合いをする中できまりました

「暮らしづくり」になった理由は、建物のコンセプトを分譲地全体に拡張して、街全体で健康になる空間を創造するという意味を表現したかったからです。

このコンセプトを体現するために、分譲地にはコミュニティスペースを設けたり、共用部分には薬木を植えたり、各区画は広くして庭でガーデニングや植栽を楽しめるように設計しました。

さらに上記のような健康的な生活をする人が求める家を徹底的に考えた結果、分譲地の建物は平屋限定に決定しました。

もちろん素材や建物のクオリティも高く、土地だけでなく建物も高額になるのは懸念点でしたが、その不安は杞憂に終わりました。

販売開始から好意的な反応をいただき、何より金額勝負ではなくコンセプトや考え方に共感したお客様が集まりました。おかげで競合も値引き交渉もなく、次々と申込や契約をいただくことができています。

さらに分譲地ではないものの、今回のコンセプトや取り組みに共感したお客様からは、土地探しを含めたお申込みや、建て替えのお話を複数いただいています。

コンセプトづくりのポイント

正直なところコンセプトは何でも良いんです。ただし成功につながるコンセプトを見つけるポイントはいくつかあります。

今回、特に気をつけたことは以下の3つです。

1.会社の思想や強みと会っているか?

もともと「健康住宅」を全面に押し出していた会社です。コラボ相手の「心身両面から健康と美の増進、未病改善を目指す」という考え方との親和性はピッタリでした。

2.競合他社との違いがあるか?

そもそも異業種とのコラボレーションをしている競合は皆無でした。さらに建物は平屋にしたり、隣接地にモデルハウスや本社移転(来年予定)を計画するなど、とにかく他社がマネできない、マネしたくても難しい特徴を盛り込みました。

3.証拠を見せられるか?

マーケティング的にきれいなサイトをつくったりチラシのキャッチコピーなどで、いかようにも表現はできます。しかし今のお客様は非常に賢く、会社からのメッセージだけでは信じてくれません。

そこで必要となるのが、ビジュアルや数字など具体的に目に見えるこれまでの実績や証拠になります。今回、この点が弱かったので補強する意味でも実店舗を持ち、取材も多く受けていたコラボレーション相手を見つけて提携しました。

つまり、自社単独ではまかないきれない(証明しきれない)部分は、コラボ相手の力を借りて補完したわけです。

集客でも使えるコラボレーション戦略

コラボレーション戦略は分譲地のような大規模なものだけではなく、見学会のイベントとしても活用が可能です。

実は今回のプロジェクトの売り出しに際し、オープニングイベント後の企画に悩んでいました。というのも、既にお金をかけて近隣ポスティングや来場プレゼントは一通り実施してしまったからです。

そこでまたご支援先の社長と対話を重ねることにしました。するとあるコラボ相手をみつけることができました。体にやさしい無農薬野菜や無添加お菓子など、体にやさしいオーガニック商品を提供しているママさん団体とのつながりでした。

この団体と協力して分譲地の隣接地で「オーガニックマルシェ」を開催。団体とつながっているお店が多数出展してくれました。

その結果、もともとオーガニックに興味関心の高いママさんたちが多数来場しました。この層は「健康住宅」との親和性も非常に高く、工務店の家や分譲地のことを皆さん気に入ってくれました。

結果、自社ではほとんど集客活動をしていないにもかかわらず、一日で37組の来場と次回アポ取得を含め10組を超える優良見込み客リストをつくることに成功しました。

さいごに…

今回は現在進行形で私が主導して成果を出しているプロジェクトの具体事例を通じて、「コンセプト」の重要性と「コラボレーション」の有用性をお伝えしました。

いかがでしたでしょうか?

取り組んだことのない工務店や代表の方にとってはハードルが高く感じるかもしれません。しかし今まで自分がやってきたことを振り返り見直すことのなかに、必ずヒントがあるはずです。

もしあなたが、

  • 自社や自分では良いコンセプトをみつけることができない。
  • コラボレーション相手にどのように話を持っていったら良いか分からない
  • 提案書や契約書やビジュアルツールの用意の仕方が分からない
  • 何から始めたらいいのか?とにかく相談に乗ってほしい

などをお考えであれば、お気軽にお声がけいただければと存じます。

今後さらに消費者による会社や商品(建物)を見る目は厳しくなります。そのときに選ばれる、価格勝負に陥らないポジションを確保するには、競合他社との明確な違いがある、そして共感を得られるコンセプトやメッセージを発し続ける必要があります。

もし自社だけでは難しい、実現できないのであれば、対策としてコラボレーション戦略も選択肢の一つになります。

ぜひ自分たちが既に持っているものに目を向けて、コンセプトの見直しやコラボレーションの可能性を探ってみてください。